パブリシティ

Business Labor Trend No.389
企業における外国人留学生の活用
■ 元留学生の就職体験報告
● 足りない留学生向け就職活動/ローラ・ソプリン氏
SPIへの対応で苦労
(日本での)就職活動で難しかったのは、SPI(一般常識試験)の勉強と受験だった。元々、SPIは大きな障壁になると思い、一年生の夏から問題集を買って勉強に励んだ。だが、いくら勉強しても点数が上がらず、日本人に比べ、回答するスピードも遅かった。そのため、競争の激しい企業ではSPI試験にうまく対応できずに落ちてしまったことがほとんどだった。
特に大企業の多くは、SPIで次のステップに進む人数を大きく削減する。しかし、最初の段階でSPIの結果を重視してしまうと、特に外国人留学生に関しては、学生の能力や性格などを正確に把握できずに、優秀な留学生を採ることができなくなってしまうのではないだろうか。結果として、SPIの苦手な留学生は、自分をより重要視してくれる中小企業に魅力を感じるようになると思う。
就職活動の情報収集が困難
就職活動についての情報収集にも苦労した。日本人の学生と同じように『リクナビ』や『毎日ナビ』『日経ナビ』などを通じてエントリーシートを送ったり、説明会や面接を予約した。
そこで一番足りなかったのは、外国人留学生向けの就職ナビサイトがなかったこと。例えば「留学生募集」という検索ワードを入れても、マッチする企業はとても少なかった。また、リクルート社には、『リクナビ海外大生』というサイトがあるが、それは海外に留学した日本人学生のためのサイトであり、日本で勉強する外国人留学生にはほとんど役に立たない。
日本の大学・大学院で知識や能力を身につけた留学生を募集する企業が集まるサイトがなかったために、就職したい企業を見つけるのに苦労した。今後、グローバリゼーションが進み、日本で勉強して就職活動を行う留学生が増えることも考えられるので、留学生向けの就職サイトをつくる必要があると思う。
また、大学のキャリアセンターで自分の履歴書やエントリーシートを見てもらったが、留学生が苦労していることを理解してくれる専門家がいなかった。(本当は)エントリーシートの日本語(の中身)も直して欲しかったのだが、そこまでのサポートはなかった。
次に、実際に日本で働いてみて感じたことについて話したい。実際に働いてから大変だったのは、二カ月目から始まった電話応対。丁寧な言葉が出てこなかったり、お客様の会社名を三回聞いても聞き取れなかったりして、お客様に変な印象を与えたり、社内の人に伝言ミスをしてしまった。このため、上司と会社の取締役と相談して、取引先の名前になれるまであまり電話に出ないようにしている。今でも日本語でコミュニケーションをとるときに苦労しているが、だんだん慣れてきた。早く電話でのコミュニケーションに対応できるようになりたい。
平等で風通しの良い会社に就職
(逆に)留学生として就職したにも関わらず、良かったと感じたことは三つある。一つ目は、電話対応以外、日本人の他の新人と同じように扱われたこと。二つ目は会社の男女平等で、当社では男女を問わず新人は来客にお茶を出したり、朝の掃除当番に参加する。「女性だからこういう仕事だ、男性だからこういう仕事」だという区別は一切ない。最後は、自分の声が上まで届くこと。もしも、会社の仕事の進め方などで改善点があると思えば、ミーティングなどで自分の視点を説明。皆を納得させることができたら、新しい方法が実行される。
《プロフィール》
Laura SOBRIN WIPジャパン勤務 (翻訳コーディネーター)。米国出身。ポモナ大学(カリフォルニア州)を次席で卒業(日本語専攻)。在学中、同志社大学に留学。卒業後、愛知県で英語教師として勤務。文科省の奨学金生として早稲田大学大学院商学研究科でマーケティングと組織論を研究(3年半)、卒業生総代。学生時代より様々な翻訳に携わった経験を生かすため、07年現在の会社へ。
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